透析方法

DIALYSIS MODALITY

当院で主に行われている血液透析は大きく分けて2種類あります

血液透析(HD)
血液透析(HD)は、腎臓の機能が低下し体内に蓄積された老廃物や余分な水分、毒素を体外に取り除く治療法です。近年では糖尿病を原疾患とする透析患者様が増加しており、透析中の血圧低下や心機能への影響を最小限に抑えるため、酢酸を含まない無酢酸透析液(カーボスター)を導入しています。
▪️無酢酸透析液(カーボスター)
現在の一般的な透析液には少量の酢酸が含まれています。酢酸には心機能抑制作用や血管拡張作用が有り、透析中の血圧低下の原因になります。無酢酸透析液カーボスターは酢酸を含まない透析液のため透析中の血圧安定効果のほかに食欲亢進、易疲労感の消失、ベッドからの離床時間の短縮などが報告されています。
血液透析濾過(HDF)
血液透析濾過(HDF)は、従来の血液透析(HD)に濾過の機能を加えた治療法で、特に中分子や小分子の老廃物の除去能力に優れています。これにより、HDでは十分に除去できない尿毒素を効率的に排出することが可能となり、治療効果の向上が期待できます。HDFは、透析アミロイドーシスやかゆみ、ムズムズ足症候群(レストレスレッグス症候群)など、長期透析に伴うさまざまな合併症の予防・軽減にも効果があるとされています。また、透析困難症と呼ばれる血圧の安定が難しいケースにも有効であり、より快適な透析生活をサポートする選択肢の一つとなっています。当院では、患者様の症状や病態に応じて、HDFの導入も積極的に検討し、個別に最適な治療方法を提案しています。

当院で使用している主な透析監視装置

日機装:多用途透析用監視装置DCS-100NX
日機装:多用途透析用監視装置DCS-200Si
ブラッドボリューム計(BV計)を搭載しております
当院の透析装置にはブラッドボリューム計を搭載しており、透析中の血液濃縮を連続的に監視することで、血圧低下や下肢の攣りを予防します。ドライウェイトの評価にも活用され、さらに非侵襲的にシャントの再循環を測定できるため、バスキュラーアクセスの異常も早期に発見可能です。

リクセル(吸着型血液浄化器)を用いた治療

当院では、長期透析によって生じる合併症のひとつである透析アミロイドーシスに対し、吸着型血液浄化器「リクセル」を用いた治療も行っております。リクセルは、アミロイドの原因となるβ2ミクログロブリンを効率よく除去することができ、関節痛や手根管症候群などの症状緩和に効果が期待されます。

レオカーナ(吸着式血液浄化用浄化器)を用いた治療

当院では閉塞性動脈硬化症の治療に使用されるLDL吸着療法用の「レオカーナ」の治療を行っています。

エコーガイド下穿刺

穿刺困難な患者様にも対応できるよう超音波診断装置(iViz air)を導入しております。また半年~1年に1回定期的に血管の評価を行っております。